フリーランスがインフルエンザを患った結果 前編

先日、インフルエンザに罹りました。

2月10日(水)

フリーランス界隈ではよくある話だが、ついつい深夜まで作業してしまうことが続いて、最近では起床が12時を超えるようになった。人と会う約束は大抵午後に入れるので問題はないのだが、起床時既に爽やかな朝が過ぎ去っている事実に気づくと、何とも言えぬ残念な心持ちとなる。朝日が恋しい。

今日も「いつも通り」12時過ぎに布団を脱し、「いつも通り」過ぎ去った朝を惜しみつつ、「いつも通り」トーストと目玉焼きとコーヒーでブランチを頂く。その後は適当に家事を済ませる。家事はいつも通りというわけではない。気が向いたら、あるいは溜まり過ぎたらこなすようにしている。私はズボラです、と、顔に書いて在りそうなものだが、今のところ鏡を見る限りその徴候はなさそうである。

「さて、さっさとランディングページの原稿を仕上げるか、アレが出来ないと集客が始まらないもんな。しかし何書いたら良いもんか…うーん。」

と机に向かったところで体の異変に気付いた。

熱っぽい。悪寒がする。

風邪を引く前は大抵何らかの兆候があるものだが、今回はかなり突然だった。とりあえず体温を計ると、37度後半とのデジタル表記。

風邪である。

風邪は初動で徹底的に潰すのが私の流儀である。たとえどんなに忙しかろうが、とりあえず休む。そしてすぐ治す。その方が結果的に周りに迷惑がかからないと信じているが、実際のところはどうなのだろうか。忙しかったらとりあえず動いて、終わったらじっくり倒れろよ、という流儀の人がいても不思議ではないし、理解はできる。

現在は幸いなことに「締切はない*¹ が、遅れたら遅れた分だけ収益機会も遅れる。」という仕事の仕方をしているので、とりあえず今日は休むことにした。市販の風邪薬を服用して、さっきまで入っていた布団に戻る。

途中、夕飯に起きた以外は、ずっと布団に潜って過ごす一日となった。

2月11日(木)(祝) 昼

そして気付けば朝、いや、既に昼過ぎ。風邪を引いても「いつも通り」爽やかな朝を逃してしまう自分が恨めしい。充分な時間寝ているのだから、朝日とともに自然と目覚めてくれるんじゃないかと淡い期待を抱いていたものの、そんな期待は見事に打ち砕かれた。

体調も最悪である。

最悪である。久しく味わっていない感覚である。体温は38度後半まで上昇しており、喉も痛い。ほのかな関節痛まである。全ての事象に対してやる気がでない。体が寝ていろと命令してくる。

食欲はあるような気がしたが調理をする気力がなかったので、皮を剥くだけで済む蜜柑を2つ食する。普段は蜜柑なんて買わないのだが、何かの気まぐれに買ってしまったこの蜜柑。水分、ビタミン、エネルギー、体に足りて要素と合致したためか、いつもより大変美味しく感じられた。今日ここにいてくれてありがとう、蜜柑。

さて今日は木曜日。祝日。

某有名なギターボーカリスト*² に「バンドやろうぜ!」と誘われたので二つ返事で快諾したのだが、その第一回打ち合わせが本日の夜なのだ。

ギター、ベース、ドラム(私)の3人で音楽性の違いについて熱く語り合い、気づけばスリケンが飛び交いアイエエエエ!?カイサンナンデ!?*³ という胸熱な展開は特に期待していないのだが、聞けばベースはかわいい女子でかつエキセントリックなソウルの持ち主だと言うことで、お会いできるの大変楽しみにしていたのだ。

大変楽しみにしていたので無理して出席しようという考えが頭をよぎったが、それは私の流儀に反する行いであると同時に、体調悪い時に参加しても何も喋れないし酒も飲めないし、風邪移すのもよくないし、やめよう。という真っ当な結論に至る。

断腸の思いでゴメンを送信し、布団に戻る。さっきまで寝ていたのにすぐ眠くなった。

2月11日(木)(祝) 夜

凄い寝汗である。布団が汗臭い。お腹すいた。

とりあえず、布団乾燥機をセットすることにした。本当は億劫でやりたくなかったのだが、最低限の衛生状態は保っておきたい。これ以上風邪が悪化しても困るし、体に鞭打って布団乾燥機をセットした。

体に鞭打ったついでに、夕食について思案した。蜜柑しか食べていないのは流石にまずいが、レンジでチンしたら完了するような食材は見当たらない。ふと、本来の姿から1/4にカットされた白菜が台所の隅に存在する様が目に入った。一人暮らしで1/4白菜は中々使い切れないものだが、全て適切に加工して保存する自信があったし、実績もあった。しかし、これにはかなりの労力を要する為、やる気がある時にしか白菜は買わないことにしているのだが。

なぜ白菜を買ってしまったのか。

大いなる後悔と、白菜加工の責務が重くのしかかる。こいつは今日加工しないと、痛む。仕方なく、白菜とタラの切り身を水炊きにして頂きつつ、残りの白菜を加工することにした。水炊きを作るだけでも大変疲弊したのだが、出来たものは大して美味しくない。味付けに失敗したわけでは無さそうなので味覚がおかしくなっているパターンだ。相変わらず蜜柑だけは美味しいのが救いだ。

体を適当に拭いて着替えて、また布団に戻る。さっきまで寝ていたのにすぐ眠くなった。

 

(中編に続く。)

 

*¹ 実際は締切がないわけではなく、論理的な根拠なく精神的な締切を切っています。じゃないとやらない。

*² 自腹を切ったことで大変有名。

*³ 「あなた、疲れているのよ。」「知ってる。」

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